
2011/07/26 13:30~15:00
ホテルライフォート札幌4階アニマート1
司会:濱方克彦(全小図連事務局)
記録:麻佐知子(都図研広報局)
参加人数(50名)
開会の言葉(菅原清貴先生・本年度開催地理事)
311の大震災では大変な被害だった。昨年度の福島大会でお世話になった毛利先生(昨年度開催地理事)より皆様によろしくとのこと。私たちががんばって復興を支えていきたい。造形教育をこの共同開催で前進させなければならない。ぜひ、たくさんのご意見をいただき、会を充実させたい。専科、学級担任それぞれに方法は違っても、確実に図工が子どもたちの幸せにつながるように、図画工作の中でどういう資質能力を育てていったらいいのか、自信を持って指導に当たれるような確信を分かち合ってもちかえっていただきたい。
議事
理事挨拶(高橋香苗先生・東京都図画工作研究会会長)
※前理事長・辻先生の退職により、新理事長・高橋先生が挨拶。
震災以来、私たちは様々なことを考えてきた。日本の現状の上にある日々の授業の中で、子どもの感情とつきあい、表現と関わってきた。図工の本質と向き合わざるを得ない状態におかれている。子どもたちがよりよい日々を切り開いていく力は図画工作教育の中で必ず育てることができるはずと信じている。図画工作の教育について真剣に考える皆さんとともに会の成功を祈っている。
平成22年度会計報告(濱方克彦・全小図連事務局)
(配布物参照)拍手にて承認
平成23年度役員選出
(配布物参照)
・理事長:高橋香苗(東京都図画工作研究会会長)
・副理事長:菅原清貴(北海道造形教育連盟委員長)、毛利周一(福島県図画工作・美術・造形教育連盟長)、宮城アケミ(沖縄県造形教育連盟小学校部会長)
・事務局長:濱方克彦(東京都図画工作研究会参与)
・監事:加藤幸子(東京都図画工作研究会副会長)、平田耕介(東京都図画工作研究会理事長)
拍手にて承認。
平成23年事業・予算案(濱方)
(配布物参照)
全国事務局のメールアドレスやホームページの情報を集め、みなさんにご報告したい。
拍手にて承認。
研究会(実践事例発表)
実践1/本間基史先生(東京都新宿区立落合第六小学校)
- 「図工ができること」(プレゼンあり)
- 東日本大震災後、6月に都図研有志のメンバーと岩手で造形のボランティアを行い、多くのことを考えさせられた。今年の大会は新学習指導要領完全実施の年であると同時に、大震災の影響を避けて語ることはできないと思う。
- 大船渡北小学校にて、大きな不織布に絵を描くワークショップ。参加してくれた子どもたちはほとんどが仮設住宅や避難所に暮らしていた。
- 木片のブロックを積んで建物や街をつくるワークショップは岩手県立美術館の企画に参加させていただいたもの。当美術館では被災地を回って子どもたちのためにワークショップを開いている。
- 図工で子どもたちのために何ができるか、考えさせられた。日々の授業が一番大切だが、社会とのつながりを通して図工の可能性を考えていくことも大事ではないか。
- ・建築家との連携(6年生)。垂木と輪ゴムでつくる建物。60分間で街並みをつくり、解体も簡単にできる実践。
- ・美術館との連携(4年生)。東郷青児美術館での鑑賞学習の体験を生かして、自分たちの学校の展覧会で「こども学芸員」がお客様を招いてギャラリートークを行った。
- ・親子造形遊び(4年生)。保護者と子どもがスズランテープで校庭の遊具を包む実践。保護者が造形遊びに理解を深めることができた。
- ・幼保小の連携(3年生)。近隣の幼稚園や保育園に出前授業を行った例。紙を切って貼り付けたりペンで描き加えたりして「ムナーリの大きな木」を園児と3年生とで。
- ・伝統文化との連携(4年生)。能「天の羽衣」を鑑賞して、絵に表す実践。
- <日常的な日々の授業実践から>
- ・低学年で牛乳パックを切り開いたり、新聞紙を切ってつなげたりしていく造形遊び。
- ・描いた絵をどんどんつなげていく実践。
- ・「花」をキーワードに自由に描いた実践。子ども一人一人の違った表現が見られた。
- 新学習指導要領の共通事項にある「イメージ」という言葉が一人歩きしてはいないか。誰のためのイメージか。もちろん大切にすべきは教師のではなく子どもの、である。
- 写真で風景の中から「顔」を探す実践。自然に子ども同士で見つけた顔を互いに共有している。
- 「言語活動」も一人歩きしがちなことば。国語科の目標に沿った言語活動ではなく、あくまでも図画工作科の目標達成のための言語活動であること。
- 311をきっかけにして、図画工作は子どもたちに何ができるか、これからも考え、取り組んでいきたい。
実践2/湯浅大吾先生(北海道札幌市立伏見小学校)
- 「美術鑑賞教育における地産地消とは」(プレゼンあり)
- 子どもと対象(ひと・もの・こと)との距離。成長とともにだんだん広がっていくことを考えれば、美術鑑賞のスタートは地元の野外彫刻や作家の作品が望ましい。道立近代美術館を利用した実践の紹介。
- ・「教室は美術館」(4年)。鑑賞した美術館の作品(学芸員さんに送っていただいたデータ画像)の中からお気に入りを選んで「ぴったりの」額をつくる実践。絵をよく見て自分なりのストーリーもつける。
- ・教室は美術館2.いただいた長い絵巻のような絵の複製を元に、各グループがそれぞれにお話を考えた。並べ替えるとまたちがう新たなお話が浮かんでくる。美術館に出向き、自分たちが考えたお話を発表した。
- ・チャレンジ掛け軸。鑑賞の後、自分たちも北海道の気に入った風景を掛け軸の形に表した。表装も材料を持ち寄り、それぞれに工夫してつくった。縦長の紙に描くと、子どもたちは上の方に遠景を、下の方に近景を、という具合に、自然に日本古来の遠近法をもちいて表していた。
- ・低学年(1年生)の美術鑑賞。抽象画(リ・ウー・ハン)の複製に自分たちで自由に描き加えていく。
- ・絵の中で遊ぼう(2年)
- 質問
- たけだ(岩見沢小)額縁をつくった実践について。材料を子ども各自にまかせると、家庭によって差が出てしまう。かといって教師がすべて用意してしまうと子どもの表したいものを実現できない。どうしたらよいか。
- 湯浅子どもを「やりたい」という気持ちにさせるのが教師の力。子どもの「やりたい」気持ちが材料を本気で集めようとするエネルギーになる。子どもの本気が親を動かすのではないか。
・指導助言
鈴石弘之先生(NPO法人 市民の芸術活動推進委員会代表)
- ・はじめに
- 全小図連の名前の歴史について。
- 全小図連に参加しているのが(わずか27自治体であり)全国ではないという現実。
- ・本間先生の実践から。
- 保護者との造形遊びで保護者の理解を得ることは大切な実践。「図工は子どもにとって必要」と考える大人は2割しかいないという現実を忘れてはいけない。
- ・湯浅先生の実践から。
- 北海道の先生方は写実の実践と切り結んでいる。
- 低学年の鑑賞実践は本当にあれでよいのか?考える必要がある。
横内克之先生(東京都図画工作研究会参与)
- ・絵本作家・佐野洋子の言葉から。
- ・子どもの「遊び」は生活の中から生まれてくる。造形遊びの「遊び」とは?
- ・共通事項の「形、色、イメージ」だけでは足りない何か。頭の中だけに浮かんでいるようなものなく、体感するテクスチャーこそがこれからの造形教育で重要になるのではないか。
- ・思考力、判断力、表現力だけでは足りない、何か。造形教育に関わる人たちは直感力が大切なことを知っている。
- ・美しいものだけでは語れないアート。本来混沌であるアートを背景に、制度である教育を語るときの心構えとは?「子どもが育つ」とは?
- 子どもにとって「抜き差しならない」ということ。
- 鑑賞、とは?表面だけでなく、作品の向こう側にあるものと出会わせるにはどうしたらいいのか?芸術の偏見が語り得る真実。ものごとを平均化しようとする多数決ではたどり着くことができない、子どもたちが出会うべきものとは。
閉会の言葉(大城悦子先生・沖縄理事代理)
次期開催県沖縄より。本大会テーマ「わたしをつくる」。大自然の中で、当地の子どもたちが明日、公開授業でどのように授業テーマ「あったかい」をつなげ合うのか楽しみにしている。本日の実践発表では大変参考になる魅力的な事例を紹介していただいた。
次回沖縄は「てぃーだ(太陽)の島から発信する造形教育」。たくさんのご参加をお待ちしています。開催は8月1,2,3日浦添市にて。沖縄で開かれる第4回目の大会となる。本日はありがとうございました。









